外壁塗装の費用をしっかりと知るためにも、見積書に具体的にどういった費用が含まれているのかを知っておくほうがちゃんと見積もりを比較することができます。
こちらのページでは業者にもらった見積もりの中に含まれる費用の詳細と、それぞれの項目の見るポイントをまとめてみたいと思います。
安くするテクニックも大事ですが、まずは見積もり自体をしっかりと分かってからのほうが、もっとテクニックを活かすことができると思いますので、ぜひ一度読んでみてください。
外壁塗装の相場の目安
まだ実際に見積もりすらしていないという状態であればどれくらいのお金がかかるのかという目安があると良いかと思いますので、私が本や塗装業者のホームページ等で見た情報を元に相場の目安を書くとこのようになります。
しっかりとこだわって塗料もフッ素、ガイナや無機塗料などの高級塗料を使うともっと150万円になるようですが、大体は上記を目安金額に入れておきましょう。
外壁塗装の見積もりの内訳
では次にその相場の中身を大きく4つに分けるてみるとこのような内容になります。
(塗装時の具体的な流れはこちら⇒外壁塗装の流れ)
- 業者の営業経費
- 職人の人件費
- 塗料・養生代金
- 足場代
という内訳になります。
上記で紹介した相場の中身は上記のようになっています。
意外と見て驚く部分が足場代が20%を占めていることです。
たまに詐欺・悪徳業者では「足場代無料」なんてところもあるようですが、20%も占める部分を無料というのは聞く分には良いですが、本当に大丈夫なの?と不安さえ覚えてしまいます。
では次にこの4つの分類よりもさらに細かく見積もりの詳細を見ていきましょう。
外壁塗装の見積もりの詳細
外壁塗装の見積もりの中には具体的にはこういった項目が含まれています。
- 仮設足場
- 飛散防止ネット
- 塗装しない部分の養生
- 高圧洗浄
- 下地処理・クラック処理
- 塗装費用
- その他付帯塗装工事
それぞれを細かく見ていきたいと思います。
仮設足場
足場は外壁塗装をする際に必ず設置するもので、上でも書いたように足場の設置は全体の20%程を占める費用になります。
仮設足場の単価相場は一般的に600円〜800円/㎡と言われています。
この金額よりも大きく離れていないかどうかをチェックしておいてください。
足場の費用は安ければ安いほうが良いわけではありません。
足場によって外壁塗装の仕上がりも変わってくるからです。
例えば平均台を渡るところを想像してみてください。
低い平均台であればすんなり渡れるはず。
けれども3mとか高い平均台、ヒモみたいな細い平均台で考えてみてください。
足元が不安定になって余裕を持って渡れますか?
外壁塗装の場合は更にそこで塗り作業をしなければなりません。
足場がしっかりした所と、不安定な場所では仕事内容に違いが出てくるのは明らかです。
だからちゃんとした業者であればちゃんと見積もりに入ってくるはずです。
本来であれば最低でも10万円はする足場代。
これが無料になるのはおかしいし、仮に無料に鳴ったとしても他の部分の費用に上乗せされていることが考えられるので、見積もりの中で異常に足場代が安い場合は注意してください。
悪徳業者などの言い訳で「近くで仕事をしているから足場代は安くできます」と言われたとしても、足場は毎回組み立て、解体撤去の費用がかかります。
現場が近いとかそういったことは関係ありません。
関係あるとしても足場の運送費用が違うくらいです。
少し足場についての説明が長くなったのでまとめておきたいと思います。
足場の費用まとめ
- 足場の相場は600円〜800円/㎡
- 足場は外壁塗装の仕上がりを左右する
- 足場の見積もりが異常に安い場合は注意
飛散防止ネット
飛散防止ネットは高圧洗浄や塗装の時に周りに飛び散らないように囲うネットのことで、専門業者のHP等を確認するには飛散防止ネットの平均相場は100円〜200円/㎡でした。
家のまわりに何も無ければ不要かもしれませんが、隣に家などがあるなら必要な費用です。
ここの見積もりでトラブルが合ったという情報は見たことがないですが、ちゃんと費用に含まれているかどうかの確認はしておきましょう。
飛散防止ネットは足場代と一緒に見積もりに入っている場合もあったり、下で説明する養生と同じになっていたりします。
塗装しない部分の養生
外壁塗装の時に塗装しない部分や、色・境目などの部分にする保護のことを養生と言います。
(上の画像)境目になるので養生が斜めだと仕上がりも斜めになってしまうので、地味に見た目の仕上がりを決める重要な作業です。
具体的な費用相場は250円〜400円/㎡。
飛散防止ネットと同様に養生の一部なので「養生」としてまとめられている場合もあります。
高圧洗浄
外壁の汚れを取る作業です。
平均相場は100円〜300円でした。
高圧洗浄には普通の高圧洗浄と、バイオ洗浄があります。
バイオ洗浄は洗剤を使って高圧洗浄をする方法で、水圧だけで取れない汚れを洗浄する目的で行われます。
普通の高圧洗浄と比較すると少し価格は上がりますが、相場的には最初に書いた100円〜300円の範囲に入ります。
ただ現状バイオ洗浄自体にすごい効果があるわけではないようなので、わざわざするほどのものでは無いとのこと。
全体的な費用が安いならやっても良いかもしれませんが、費用を抑えたいならする必要は無いようです。
高圧洗浄の注意点
高圧洗浄は「一式」とまとめられて書かれてしまうことが多いようです。
これだと単価がいくらでどれくらいの面積を洗浄するのかがわかりません。
一式とまとめられてしまうと本当に適正価格なのかがわかりにくいので、「一式」と書かれていた場合は詳細を聞いてみた方が良いです。
下地処理・クラック処理
高圧洗浄後の外壁を調整する処理になります。
具体的にはひび割れ(クラック)を補修したり、サイディングであれば継ぎ目にあるコーキング(シーリング)の補修(打ち増し、打ち替え)などがあります。
この作業全体としてかかる費用は家庭によって様々です。
外壁が劣化している、していないでもかかる総額は変わってくるからです。
ただひとつ言えるのは下地処理は大事な作業で外壁塗装後のトラブルの80%が下地処理の不良が原因と言われています。
だから見積もりをみて、この下地処理部分がないとか「一式」という表記で書かれていた場合は具体的に何をしてもらえるのかを聞くほうが良いです。
ひび割れの補修や、コーキングの打ち直しなどを丁寧にすればするほど費用はかかりますが、安い業者ほど目に見えない下地処理の手を抜き安く見せかけるところが多いとのことなので、注意しましょう。
塗装費用
メインでもある塗装にかかる費用です。
塗装と言っても大きく分けて2つで、「下塗り」と「中塗り・上塗り」に別れます。
業者によってはまとめて塗装と書かれたり、2か3個に別れて書かれています。
下塗り
下塗りは「プライマー」「シーラー」「フィラー」などと書かれる場合もあります。
この後に塗る塗料がしっかりと壁面に密着するように塗られるのがこの塗料です。
相場はおよそ600円〜900円/㎡と言われています。
中塗り・上塗り
この工程が見た目に変わる部分です。
塗料によって相場は変わってきます。おおよその目安相場は以下のようになります。
種類 | 費用相場 |
---|---|
ウレタン | 11,00円〜1,600円/㎡ |
シリコン | 1,700円〜2,400円/㎡ |
ラジカル | 1,900円〜2,400円/㎡ |
フッ素 | 3,200円〜4,200円/㎡ |
光触媒 | 3,600円〜4,400円/㎡ |
無機 | 3,900円〜4,600円/㎡ |
塗料の名称が書かれているか
塗料の種類という面では上記の分類で良いのですが、実際に使う塗料がどこの塗料かどうかが記載されているか確認しておきましょう。
具体的なメーカー名などまで確認しておくのが必須です。
塗料のメーカーを確認して「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」であれば問題ありません。
塗装費用で大事なポイント
塗装では塗料自体の相場も大事ですが、同じく必ず見ておきたいのが「最低3度塗りされているか」です。
ここを2回にするのが手抜き工事する悪質業者の典型的な手法となっています。
2回だと見た目的には綺麗に仕上がるのですが、塗装が薄いために剥がれやすかったりして本来10年程度保つ塗料を使ったとしても7年で再度塗り替える必要が出てくるなどの問題になってしまいます。
この塗る回数を減らすのはすぐにはわからず、後に判明してしまうので必ず見積もりをもらった時点で確認しておきましょう。
ただし、外壁の劣化状態によっては3回以上塗ることもあるので問題ありません。
3度塗りが基本なので多いのは丁寧な証拠です。
けれども4回以上になっている場合でも4回必要な理由などは聞いても良いかとは思います。
その他付帯塗装工事
外壁だけの場合はあまり出てこないかもしれませんが、屋根を一緒にしたりついでに塗装を依頼する場合に上がってくる費用です。
破風板、化粧帯、化粧枠、軒天、雨樋(あまどい)、配管などの費用になります。
部位によって価格は違ってきて、あまりにも細かくなるのでこちらのページでは割愛させていただきます。
見積もりをする前にしたいこと
ざっくりと外壁塗装の相場や費用について見てきたのですが、実際に見積もりをする前にしておいたほうが良いことを紹介しておきたいと思います。
それは「調査診断書・仕様書」をもらうことです。
まずは具体的に調査診断書とはどういったものなのか?ということで、こちらを御覧ください。
⇒外壁塗装診断・提案書(ミタカ工房)
実際の塗装業者さんが出しているもので具体的にどんな部分が劣化していてどんな対策をする必要があるのか?事細かく書かれていたかと思います。
ここまでしてくれたらこちらも具体的にどういったことをしてくれるのか?がわかりやすいし、その業者を信頼できますよね。
適当な詐欺・悪徳業者であれば細かいことまでしてくれませんが、しっかりした業者であればちゃんと調査診断書を準備してくれるはずです。
基本的にどこの業者でも無料でもらえる資料とのことなので、依頼する際にはもらいましょう。
その業者が本当に信頼できるのかの確認にもなります。
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