外壁リフォームを考え始めると選択肢に上がってくるのがサイディング外壁です。
昔はモルタルなどの塗り壁が外壁の主流だったのですが、ひび割れが起きやすいなどのデメリットも多くなっています。
そういった理由から最近では新築でもサイディング外壁が主流となっています。
こちらのページではサイディング外壁に関しての基本的な部分についてできるだけ簡単な文章でまとめてみたいと思います。
と、偉そうには書いたものの私も調べ始めた頃はそもそもサイディング外壁とは?というところから基本的な部分からわかっていませんでした。
難しい言葉も多くてわかりにくい部分もあったので、これからサイディングに関して調べようという人に役立てればと思います。
サイディング外壁とは
上記の画像がサイディング外壁です。
壁になった状態では他の壁との違いがわかりにくいかと思うので、実際にホームセンターで販売されているモノを撮影してきました。
それがこちらです。
サイディングは元々このように板の形状になっています。
順次貼り合わせて外壁が作られていきます。
貼り合わせていった後にできた隙間に「シーリング(コーキング)」をして外壁が完成します。
ちなみにコーキングとは下の画像のちょうど真ん中の部分の色が違うところがコーキングになります。
ここまででなんとなくサイディング外壁とはなんなのか?というのがわかったかと思います。
ではなぜ最近では外壁にサイディングを使うところが増えているのか?
次に今までの塗り壁と比較して、サイディングを使うことが増えている理由でもあるサイディングの特徴についてまとめてみたいと思います。
サイディング外壁のメリット
早速ですが、サイディング外壁のメリットを完結にまとめると以下になります。
- 品質が安定している
- デザインが種類が多い
- 施工時間が短い
以下でそれぞれを詳しく書いていきます。
品質が安定している
従来のモルタル壁はその時の職人の腕で質が変わってしまいます。
またモルタル壁は「乾燥」が仕上がりの重要な要素になっていて、施工する際の天候にも左右されてしまうという特徴があります。
モルタルは「天候」「職人の質」に影響されてしまいます。
それに対してサイディングの質は工場で完成されたモノを貼り付けていくだけです。
工場で生産されているため、天候に左右されることなく品質が安定しているのが特徴となってます。
工場で生産されたものを貼り付けていく作業になるので、サイディングは「天候」「職人」によって大きな差が出にくくなっています。
=業者選びで大きな差が出ないのもメリットになります。
デザインの種類が多い
サイディングの一番のメリットとも言えるのがデザインの豊富さです。
モルタルなどの塗り壁などは自由度も高くてデザインを自由にできるのは間違いないのです。
しかし、特殊なデザインにしようと思うと費用が高くついたり、そもそも塗り壁では再現できない場合などもあります。
それに対してサイディングの場合はデザイン豊富で、自分好みのデザインを選べます。
また塗り壁の場合は職人の技術で仕上がりが左右され、思っていたデザインと違ったものが出来上がってしまったりします。
上にも書いているように、サイディングは工場で生産されたものをそのまま使用するので材料を見たときと、実際に出来上がった時のイメージに違いが生まれません。
(素材そのもののなので、全体としてのイメージは別の話です)
例えばですが、私がホームセンターで見てきたものだけでもデザインの種類を見てみてください。
本当にこれは一部でしかありませんが、他にもブロック壁風、西洋風などと本当にたくさんの種類があります。
家の印象を決める外壁なので、しっかりとデザインが選べるのは大きなメリットです。
施工時間が短い
モルタル外壁の場合は大体3週間ほどかかると言われています。
それに対してサイディングの場合は2週間程度、早ければ10日程度で外壁塗装工事が終わります。
外壁工事自体は10年に一度もあるかないかの頻度なのであまり関係ないかもしれませんが、日数が減る=職人の数も少なくなる=料金が安くなるというメリットになります。
サイディング外壁のデメリット
では反対にサイディング外壁のデメリットを見てみます。
具体的には以下のものがあげられていました。
- メンテナンス費用が高い
- 塗り直しの時に見劣りしやすい
- 張り直す時に同じものにできない場合もある
メンテナンス費用が高い
モルタル塗り壁と比較するとサイディングはメンテナンス費用が高くなると言われています。
理由はサイディング同士をつなげる部分「コーキング」は劣化しやすい場所になっているからです。
コーキングの時の材料にもよりますが、外壁塗装の塗料よりも早く劣化してしまい補修する必要が出てきます。
一般家庭でシーリング補修は10〜20万円と言われていて、別でまた塗装の費用もかかってしまいます。
ただし、施工時の費用はモルタルよりもサイディングのほうが安くなる場合が多いのでトータル費用はかから無いのでトータル費用はそこまで大きく変わらないという意見もありました。
塗り直しの時に1色塗りになり見劣りしやすい
サイディング外壁は販売されている時点ではいろんな柄で販売されています。
しかし、塗り直しの時に同じ柄での塗り直しは厳しくなっています。
そうなると塗り直しの時に「1色の外壁」になるので、見た目が最初と比べると見劣りしてしまいやすくなります。
最初のサイディングを選ぶ際に、凹凸のあるデザインで単色でも見た目の良いものを選んだり、木目調で単色で塗ったとしても質感が高いものを選ぶことでこのデメリットについては避けられます。
張り直す時に同じものにできない場合もある
サイディングが傷んでしまって張替えを考える時に同じものがない可能性があります。
ずっと同じデザインのものが販売されている訳ではなく、廃盤になってしまっている可能性があるからです。
全ての張替えをするなら関係ないかもしれませんが、部分補修をしたい時に同じものがなくて似たデザインのサイディングにしたけど浮いてしまうなんて場合も起こる可能性があります。
サイディング外壁 代表的な4種類
「サイディング外壁」と一言で言われますが、サイディングには種類があります。
外壁に利用される主流なサイディングの種類は以下の4つになります。
- 窯業系サイディング(ようぎょう)
- 金属系サイディング
- 木質系サイディング
- 樹脂系サイディング
それぞれの特徴を見ていきます。
窯業系サイディング(ようぎょう)
サイディングの中でも特に多いのが窯業系サイディングです。
新築の7割(シェア70%)がこの窯業系サイディングと言われているほどです。
材料を窯で高熱処理して作られるのが「窯業系」と呼ばれる理由です。
窯業系サイディングは「汚れにくい」「火事に強い」「遮音性が高い」「防水性が高い」「デザインの種類が多い」のが主な特徴となってます。
デザインが多いのも窯業系サイディングが選ばれる理由の1つです。
他のサイディングやモルタルなどではできないような「タイル風」「レンガ風」「西洋風」などのデザインもあります。
外壁は「家の顔」であり、家の印象を決める大事なポイントなので、デザインを選べるのは私が外壁を選ぶときにも重要なポイントになります。
金属系サイディング
窯業系ほどではないですが、人気が金属系サイディングも人気が高いものになっています。
「耐久性が高い」「汚れにくい」「外からの熱に強い」「防水性が高い」のが特徴になっています。
金属系でも「スチール系」「アルミ系」「ステンレス系」が有名です。
また最近になり外壁に利用されてきている「ガルバリウム鋼板」も金属系サイディングの1つです。
窯業系サイディングなどと比較して外壁の質感が大きく変わります。
実際の金属サイディングを施工した例を見てみるとこのような感じ。
↓ ↓ ↓
一般的な自宅というよりも「デザイナー」が住んでいるかのようなおしゃれなデザインで個人的には好みなデザインになります。
イメージしている外壁デザインと合致しているなら選ぶ価値のあるデザインだと思います。
ただし、金属系サイディングだけに特有のデメリットがあります。
それは「サビ」です。
金属なのでどうしても「サビ」が発生するのは避けられません。
業者の説明でメンテナンスが不要と言われる場合もあるようですが、サビが発生した場合にそのサビが更にサビを誘発してしまって、メンテナンスをしないと目も当てられないほどになる場合も。
実際に我が家の屋根で金属屋根があって、メンテナンスを30年以上全くしていなかったためすごい状態になったものがあります。
こちらです。
さすがにここまで放置する家も少ないかとは思いますが、金属サイディングを利用する際はメンテナンスをしっかりすることだけは頭に入れておく必要があるので、注意しておきましょう。
木質系サイディング
名前の通り木を加工して作られたサイディングになります。
木目調ではかなわない、本来の木が持つ暖かさが感じられる外壁に仕上がることが特徴です。
また天然木なので全く同じデザインになりません。
デザインにこだわった自宅にするなら木質系サイディングを選ぶのも1つかと思います。
ただし、木質系は「木」というだけあり、やはり「火」と「水」に弱いデメリットが発生してしまいます。
長持ちさせるにはメンテナンスをこまめにする必要があるので注意が必要です。
樹脂系サイディング
サイディングの中でも使用されているのはわずか1%程と普及率が低いのが樹脂系サイディングです。
塩化ビニル樹脂を使用したサイディングで、劣化しにくいのが特徴になってます。
耐久性だけ考えた場合で言えば他の3種のサイディングと比較しても1番とも言われてました。
「塩害」「寒さ」にも強いので、主に寒い地方や海が近いエリアで使用されることが多いサイディングになります。
また材料そのものに塗料が含まれているのも樹脂系サイディングの特徴です。
他のサイディングの場合は、素材の上塗りに塗料で着色しているため塗替えメンテナンスが必須です。
それに対して樹脂系の場合はそもそも素材に色がついているので再度塗り直す必要はありません。
塗り替えは100万円近いお金がかかる工事です。
それが不要になるだけでも長期的に見たコストを抑えることができます。
サイディング外壁の寿命
サイディングの寿命は一般的に10年前後と言われています。
といってもサイディング自体が傷んで交換が必要なのではなく、表面の塗装部分の塗り替えになります。
具体的な流れとしてはこのような感じ。
サイディングの場合はここにプラスでコーキングの補修が入ってきます。
コーキング補修は新築から5年ほどは大丈夫ですが、そこからは様子をみて剥がれなどが発生していないかを見続けていきます。
発生した部分は随時補修していく感じになります。
デメリットの部分で書いたのですが、このコーキング補修がわりと費用がかかる部分なので頭に入れておいたほうが良いでしょう。
サイディング外壁の施工方法
サイディングの張り方にも方法が2種類あります。
- 直張り工法
- 通気工法
工法の違いを知って何になるのか?というところです。
特にこれから「サイディングを注文しようと思っている」「サイディングに張替えを考えている」なら特に重要です。
理由は工法によって家の耐久年数が変わってくるからです。
端的に言えば「通気工法」でやってもらうことが重要です。
以下ではこの2つの工法の違いと、なぜ通気工法でしたほうが良いのかを書いていきます。
直張り工法
直張り工法は以下のようになっています。
見やすく隙間が書いてありますが、密着していると考えてください。
この直張り工法はサイディングの張り方として過去に主流だった方法です。
主に2000年前後に貼られたものはこの方法で貼られている場合が多いとのこと。
しかし、今では直張り工法は「欠陥工法」とも呼ばれています。
理由は「防水シート」「サイディング」の間に隙間がないからです。
隙間がないので湿度が高い時に結露した水分などが逃げる場所がありません。
逃げ場が失われた水分がサイディングが吸収してしまってサイディングの劣化を早めてしまうという結果になってしまいます。
塗替えの場合でも直張り工法だと「張替え」を勧められるか、塗料に透湿性(湿度が排出する能力)の高いものを選ぶ必要があるなどの条件が増えてきます。
通気工法
それに対して最近のサイディング工事でする方法は「通気工法」です。
「通気胴縁」と呼ばれるモノを防水シートとサイディングの間に入れることで、湿気が外に抜けやすいようになっています。
これによりサイディングに水分が含むのを避けられるので、サイディングが長持ちします。
基本的にはこれからサイディングをする場合、通気工法でするのがほとんどです。
しかし知識のない業者の場合未だに直張り工法でするところもあるとのことでした。
家の寿命を決めるサイディングの工法。
大丈夫だとはおもいますが、これから依頼する場合は事前に一度確認しておけば安心できます。